fc2ブログ

月を見上げている

BL小説を書いています 告知 日々の戯言など

 

ときはいつでもそこにある 

「ときはいつでもそこにある。流れていくのはわたしたち」

中学生だったのか、高校生だったのか、あるいはもっと前だったのか、作者も話の内容もなにも覚えていないのに、この一文だけ、妙に鮮明に覚えている。
目に飛び込んできたこの一文に、物凄く衝撃を受けた、そのときの気持ちも覚えている。
毎年この時期になると、実感をもって思い出す。

ジュニアがまだほんの小さな頃、聞かれたことがあった。

「お母さんはおおきくなったらなんになりたい?」

たどたどしい口調でまじめに聞いてくる質問に、苦笑しながら「お母さんはもう充分大きくなっちゃったからなあ」と曖昧に笑ったものだった。

質問したジュニアの年齢の頃は、なりたいものが無限にあった。
それこそ興味を惹かれたもの、楽しいと思うもの全部になりたくて、なれるとも思っていた。

成長するにつれ、なりたいものよりもなれそうなもの、これぐらいだったら手が届きそうなもの、と、どんどん範囲が狭まって、結局なにものにもなれずに気がついたら母親になっていた。

努力もしたし、挫折も経験したし、その中で伴侶を見つけ、子どもも得、大きな不満もなく概ね幸せで、それは今でも変わっていない。

ジュニアも成長し、私にもう同じ質問をしてくるような年ではなくなったが、もし今それを聞かれたら、まっすぐに答えられる自分がいて、それがとても嬉しいと思う。

家族がいて、概ね健康で、住む家があり、明日のご飯の心配もなく、友人がいて、その上夢があって、それに向かって努力して、夢を語れる仲間ができ、その夢を見守り応援してくれる人たちがいる。
これ以上望んだらバチがあたりそうなぐらい充実した一年を過ごす事が出来た。
……まあ、これ以上のことを望んでいるわけだが^^

自分の周りにあるすべてに感謝感謝の大晦日。
扇風機も一緒にリビングで年を越すそうだ^^

さて、あと数時間で2011年という場所へ、私たちは流れていきます。
その場所がみなさまにとっても幸福に満ちあふれていることを願いながら、今年最後の挨拶とさせていただきます。

よいお年を!!!!


以下拍手コメントのお返事です。

ここをクリック▼


M様へ

はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
最後の最後に、とても素敵なプレゼントをもらったような気持ちです。
嬉しい感想、本当にありがとうございました。
祝福の気持ち、ちゃんと届きましたよ^^
偶然こちらに辿り着いていただいたこと、私自身に出会う前に、私の小説に出会って下さっていた偶然に思わず運命を感じてしまいました^^
そうなんですよね。携帯で私の作品読むと、本当に字がびっしりなんですよね^^
楽しんでいただけたようで、よかったです。
また遊びにきてください。
お待ちしております。



category: 雑談

染みついちゃってんだろうな 

休日出勤は実はそんなに嫌いではない。
なぜなら大いばりで家事を放棄出来るから^^

朝から憂鬱だ憂鬱だと叫びながら、洗濯機のスイッチだけを押して、洗い上がる頃には私はもう出掛けているという寸法で、米も研がず、あとは全部ジュニアに丸投げして家を出た。
帰って来てからも疲れた疲れたを連発し
「もうこんな時間だよ!夕飯とかどうすんのっ!」
と切れ気味に叫んだら、「ピザでいいよ」と言ってもらえた^^

クリスマスだしな!
ピザもよかろう、ってんで、ピザをとった。

で、配達にやってきた「猿山」君。
ん?猿川だったか、猿丘だったか、とにかく名前に「猿」が付いた若い男性だった。
よく教育を受けているらしく、丁寧に挨拶をし、品物を渡し、クーポン券とかの説明をしていた。

お会計の段になり、「レシートはご入り用ですか?」と聞かれ
ふむ、もらっても経費でおりるわけでもなし、すぐ捨てるだけだしと考え、
入り用かと聞かれたから要らないと答えてやった。
そして代金を払い、おつりを貰おうと待機している私。

「はい。分かりました。ではまずこちらレシートになります。……っあ」

彼が「……っあ」と言ったときには、私の手には今要らないと言ったレシートが乗せられている。

別に受け取ってもいいんだけどさあ。
そっちから要るか要らないか聞いてきたんだよね?
だから要らないって私言ったよね?
で、なんですぐさまレシート渡してくる?

流れ作業というやつか?
嫌だって言っても身体は正直だぜ、っていうやつなのか?

大爆笑である。

恥ずかしそうに「あ、すみません」と謝る彼に
「せっかくだから貰っときます」と答えてやった。

おつりを受け取る間も、猿なんとか君がなにやら説明をしている間も
もう身体がひくついて、どうしようもなかった。
あんまり私が笑うものだから、マニュアル通りに挨拶をして
ドアを閉める瞬間、猿なんとか君、とうとう堪えきれずに吹き出していた。
 
思いがけず、ちょっとした笑いを提供してくれたピザ屋に感謝しようと思う。

メリークリスマス!!

category: 雑談

だって飽きるじゃないか 

年末に向けて、仕事がべらぼうに忙しい。
明日の土曜日も働くことになってしまった。
...クリスマスなのに;;
関係ないけどなっ!!

あんまりずっと仕事ばっかりしてると、やっぱり飽きてくるじゃないか。
目の前に遊んでほしそうな顔をしたおもちゃがあったら、ついいじりたくなってしまうのは、これ仕方がないことだと私は思う。

入力した書類を持って来いと言われたからそれ持って歩いてたら、
ちょうど壁になんか掲示物を貼り付けようとしていたS君に声を掛けられた。
自分が掲示物を押さえているから、テープを貼ってほしいと言うから、よしきたと手伝ってやることにした。

私 「どこ?」
S君「ここ。ここです」
私 「どのへん?」
S君「この押さえてるところにお願いします」

と言うので、押さえているS君の指の上にテープを貼ってやった。

S君「ちょ。野原さんなにやってんですか。やめてくださいよ」
私 「だってここ、ここ、って言ったじゃん」
S君「もーぉ」
私 「うふふ^^」

というところで、案の定上司に叱られてしまった。

「ほらそこ遊ばない! 野原さんもセクハラしてないで仕事してください」

失礼なことを言う上司だった。
せっかくこのあと「ほーら、つかまえてごらん♪」って走り去ろうと思ったのに…ちっ。

S君は明日は彼女とクリスマスおデートなのだそうだ。
草食系弁当男子のくせに。
きっとイルミネーションなんぞ二人で眺めながらイリュージョンな夜を過ごすに違いない。

月曜日はせいぜいいじめてやろうと思う、今日の野原だった。


以下、拍手コメントのお返事です。

ここをクリック▼


H様へ

いつもコメントありがとうございます。
そうか。気になるものなんですね。
勉強になりました。
そしていつもうちのジュニアを褒めていただいて、ありがとうございますっ!!
育てたの私ですけどねっ。

Y様へ

コメントありがとうございます。
本当、人それぞれのこだわりというか、読み方というか、ありますね。
私はあまりそういうことを気にしないで読む方だと思いますが、案外気になる方も多そうです。
私も今回、ちょっと考えさせられました。
基本、あいさつって大事ですもんね。




category: 雑談

B-Prince文庫新人大賞 

このたび、第一回BーPrince文庫新人大賞にて奨励賞を受賞しましたことを、ここにご報告申し上げます。

第一回ということで、沢山の応募作の中から、末席ではありますが、賞を頂けたことを本当に光栄に思うとともに、感激しごくの極みです。

……と、一人受賞祭りをやってみる^^

「奨励賞コレクター」とでも呼んでもらおうか。

まあ冗談はさておき(←こんなところで冗談もなにもないだろうが)
素直に嬉しいと思う。

受賞作の「空の蒼」は、自分の中では一番好きな作品だ。
淡々と続く生活の中で、仕事に通い、恋をし、仲間と騒ぎ、親と喧嘩し……。
悩み、怒り、笑い、そんな時間を、ただ淡々と綴った物語だった。
派手な事件が起るわけではないが、来年の今日も隣り合わせていられる幸せが描けたらなあ、という思いで書いた。

それを評価して頂いたことを、本当に嬉しく思う。
残念ながら、完成した「本」という形にはならなかったが、いつかもっと力を付け、よりよい作品として、皆さんに読んで頂きたい。

今回もデビューには至らなかった。
まだまだ道のりは遠そうだ。

だが、「その先の一歩」へ、ほんの少しだけ近づいた。
今後も精進するのみ!!
頑張ろう!!
っおー!!

つか、小説大賞とモバイル大賞の受賞者のあらすじ読んだら、なんだよすんげえ面白そうじゃん。
上には上がいるもんだ^^

…くそぅ、なんか悔しい。

嬉しい光栄だと言う舌の根も乾かないうちにこんなことを言っている私は、まだまだ青いな、ふ。
悔しいと思えるうちはまだ上に行けるのだと自分を信じてっ!!


category: 投稿結果

大人になっても苦手だった 

ジュニアの学校に呼び出されてきた。
いわゆる三者面談とかいうやつだ。

呼ばれてないのに勝手に入っていって、見たいところを見て回り、飽きたら帰っていいという条件付きなら、どこの学校へ出向いていくのもやぶさかではない。
ああいう場所はあらゆるところに爆笑ネタが転がっているから大好きなのだが。
さあいらっしゃいと、時間を決めて先生が待っていると思うと、途端に憂鬱になってしまうのは、きっと私だけではないはずだと思いたい。

初めて面談した担任は、気さくな先生だった。
「よう、野原」などと、うちの大事なジュニアに向かって軽々しく肩などを叩いてくるあたり

「俺ってば生徒に理解あるだろ?何でも言ってこい!わっはっは」

と、フレンドリーオーラ全開で、初めから斜に構えている私の苦手意識を刺激してしまった。

まあ、これが真面目なタイプなら「け、勉強しかしてこなかった優等生が」と思い、威厳ある態度をとられれば
「けっ。権力を笠に着た公務員が!」などときっと思うのだから、結局は『先生』というだけで、全部苦手意識を持ってしまう、困った母親なのだった。

フレンドリーな先生は、親そっちのけでジュニアと世間話などをし、ジュニアもジュニアで「クラスに気が合わないヤツがいる」などと、平気で言ってのけて、二人でそのことについて話し合っていた。
早く話し終わらないかなあ、などと、笑顔で二人の話を聞く振りをしながら、今日の日直は誰それ君か、未だに黒板に日直の名前とか書くんだなあ、などと、頭の中で時間を潰していた。

クラスの友達問題も、ジュニアが大人になるということで話はついたらしく、最後に「お母さんの方からは何かありますか?」と聞かれ、「いや別に」と答えて面談は無事に終わった。

結局教室に入ってから出るまでで、私が発した言葉は、挨拶と「いや別に」のこれだけだった。

これからまた部活に戻るというジュニアに送られて廊下を歩いているときの、二人の会話。

娘「……今日の面談、お母さんいらなくね?」
私「……だな」
娘「つか、お母さん、座ってる間、ずっとお腹鳴ってたけど」
私「そうなんだよ。午前中変な時間に爆食いしたから今頃になって腹が減ってさ」
娘「ちゃんと考えて行動しろよ」
私「……はい」

面談が無事終わり、すっかり気が楽になった私は、廊下から流れてくる合唱部の歌が聴きたいとジュニアに無理を言い、音楽室に連れて行ってもらった。
「???」となっている生徒達の邪魔にならないように椅子に座り、「私に構わず歌ってください」とお願いし、練習中だったアメージンググレースを聴かせてもらい、ご満悦で帰ってきた。

本当は科学部にも乱入して、なにやら楽しげな実験に参加したかったが、ジュニアがそこまで付き合えないと言ったので諦めた。
ジュニアに連れてってもらわないと、私はただの不審者になってしまうだろうから。

まあジュニアの進学のことなどに関しては、なんら収穫を得なかった面談であったが、心が洗われるような歌声を聴かせてもらったので、それなりに収穫のあった三者面談だったと思うことにする。


面談の話のついでではあるが。

こんな適当な親である私だが、前にも述べたように、ジュニアの読む本、漫画などは私も目を通している。
小説も漫画も山ほど読む私は、ジュニアが読みたいと申告してきた本においては、金も出してやる。
野原家倫理委員会で審議にかけ、これは駄目だろうと思うものには「お前にはまだ早いっ!」と、それには金を出さない。
「でもクラスの子は読んでるよ」とジュニアが訴えても、私が駄目だと思うものは駄目なのである。
そこでジュニアがクラスメートに借りて、こっそり読む分には構わないと思っているし、自分も子どもの頃はそうだったから、その辺は見逃してやっている。

だから何が言いたいのかというと、家ではそうやって親として子どもに与えていい本と、そうでない本を、きちんと吟味してゾーニングしているわけなので、そんなものをわざわざ法律で決めてもらわなくても結構で、余計なお世話なのだと言いたい。

馬鹿にするなということだ。

ここ最近、ちょっと腹に据えかねていたので、遅ればせながら少しだけ吐き出してみた。

以下、拍手コメントのお返事です。

ここをクリック▼


Nっき野郎様へ

ジャンプは踏み台ではないですね^^ドキドキさせちゃってすみません。でもちゃんと注意書きしときましたから安心してください。そこで変態萌えしているあたりは、どうかとも思いますがね。

H様へ

はじめまして。ようこそいらっしゃいました。
随分前の記事まで遡って読んで下さったみたいで、嬉し恥ずかしです。
受けが酷い目に遭わされるの、いいですよねえ~~~^^
お仲間がいてくれて、嬉しいです。
また遊びに来て下さい。お待ちしております。

ジュニアの絵に「かわゆい」とコメントを下さった匿名様。
ありがとうございます。
かわゆいですよね^^そうですよね^^
嬉しいです。
また遊びに来て下さい。





category: 雑談

「下を見てみろ」 

あらすじ書き、10作目ぐらいまで進んだところで、案の定飽きてきた。

そこで気分転換に、その中の一つの物語の詳細を妄想しながら遊ぶことにする。
事件が絡むストーリーで、さて、この事件をどんなものにしようかと、あれこれ頭を捻りながら、残虐なのから間抜けなのから、いろいろと考えるわけである。
そして行き着くところはやはり得意のストーカー行為に落ち着き(←得意過ぎる^^)、ではどんな嫌がらせをさせようかと思い、突然ある事件を思い出した。

昔、女友達のU子が遭遇してしまった、おぞましくもお間抜けなストーカー野郎のことを。

U子(若干20歳)はその頃ワンルームのマンションで一人暮らしをしていたわけだが、ある日、バイトから帰り、シャワーを浴びて、寝ようとしたときに、突然ピンポンと人が訪ねてきた。
こんな夜中に誰だろうと、ドア越しに「どなたですか?」と声を掛けると、ドアの向こうから「へ、へ、へ」と、不気味な笑い声が聞こえたそうである。
恐くなってもう一度「どなたですか?」と、ちょっと強い声で言うと、外の人物が言った。

「下を見て見ろ」

U子のマンションのドアにはドアポケットが付いていたが、そこに受け箱はなく、新聞や郵便物が床に落ちるようになっている。
ドア越しの男の声に、反射的に下を向いたU子だが、彼女が見たものは

ドアに生えた、アレ。

まあ、言うなれば、男性の武器というか、シンボルというか、なにしろそれがドアポケットからにょっきりと生えていたわけである。
そのにょっきくん、状態が完全体に近く、平たく言えば、ぼっ…(←自主規制)臨戦態勢を取っており、おらおらとドアから顔を覗かせて生えていた。

ぎぃえええええええぇええええええええええ!!

である。

すぐさま警察に電話をし、にょっきくんも警察に捕まるのは嫌だとみえて、すぐに退散したわけで、直接的な被害はなく、事なきを得たので、話を聞いた私たちは、無責任にダンベルぶら下げてやればよかっただの、熱湯掛ければよかっただの、おしゃれな帽子掛けとして利用したらよかっただのと面白がったわけだが、夜中に自分のマンションのドアにそんなものを突っ込まれた本人は堪ったもんじゃない。

テ/ガミバ/チもびっくりの、飛んだ変態メッセンジャーである。

警察がやってきたとき、ドアを開けようとしたら、外側に開くドアが重く、なんだと思えばドア前にジャンプが三冊積んであったという。
警察が言うには、おそらくそのにょっきくん、ドアポケットにナニが届かず、わざわざジャンプを積み上げて、高さを調整したらしい。

それを聞いた男子達は、護衛と称してU子の部屋を訪れ、俺は一冊で足りるとか、俺様はジャンプなんぞに乗らなくても全然大丈夫だと、へんな競争が起り、一時期U子の部屋は局地的な観光スポットとして賑わった。

その男友達の一人が、本気でU子を心配し(←いや他の子ももちろん心配したよ?)、俺んところに来ればとU子を誘い、後に二人はゴールインすることになるわけだが、結婚式のスピーチで、二人のなれそめはと聞かれると、言葉を濁してしまうのが、微妙に残念なことだった。

もの凄くインパクトのあるこのネタだったが、果たして小説のネタとして、私は活かすことが出来るのか、疑問に思うところである。


注:尚、記事中の「にょっき野郎」と、リンクにある「たけのこ事務所」の管理人様とは、一切の関係はありませんので、ご注意ください。

category: 雑談

世界遺産を見てきた件 

なんだか投稿記なのか旅行記なのか分からない様相を呈してきたブログだが、
ひとつ思い出したら怒濤のようにいろいろと思い出してきた。

思い出が走馬燈のように流れている。
……って、やばいんじゃないかこの状況。

でもせっかく思い出したので、忘れないうちに書き綴っていこうと思う。

メキシコのカンクンから車で二時間ちょっと行ったところに、マヤ文明の古代遺跡があるということで、せっかくだから行ってみようということになった。

その名も「チェチェンイッツァ」
ジャングルの中に、突如現れる巨大遺跡だ。

学校で歴史を習うときに困るのは、例えばこういうときだ。
マヤ文明があった紀元前300年とか600年とかいわれた時代、果たして日本が何時代だったのか、その横繋がりがさっぱりピンと来ない。

マヤ人がピラミッド作ってかなり正確な太陽暦のカレンダーを作っていた頃、日本人がまだ猿だったのか、粘土に縄目付けて喜んでいたのか、農耕民族に移行していたのか、その辺が全然分からないのは、私の興味のなさというよりも、日本の教育制度に問題があると思う。

ピラミッドはデカかった。登るのも降りるのも恐かったが、何が一番恐かったかって、登る前に

「落ちて死んでも自己責任だからね。自分が登るって言ったんだからね」

という誓約書を書かされたことだった。

もの凄い苦労して頂上に辿りつき、青空とジャングルだけが広がる風景を眼下に収めると、世界を征服したような気になった。
階段の中央に一本しかないロープに、人が群がるようにして捕まり頂上を目指す光景は、マジに「蜘蛛の糸」だと思った。

「あははははは。見ろ!人がゴミのようだ!」

と両手を広げて叫びたかったが我慢した。
神聖なピラミッドの神殿でそんなことを言ったらバチが当たりそうだったから。

古代の天文台や、「生け贄の湖」と呼ばれる溜め池などを見学して回ったが、一番衝撃を受けたのは、古代の球技場だった。

この球技場、サッカーとバスケットを合わせたようなフィールド競技が行われたそうだが、王様の前で競技を行い、勝ったチームのキャプテンは、勝ったご褒美として

栄誉の生け贄とされ、首をはねられ心臓を捧げるのだそうだ。

なんだそれは。馬鹿じゃないのか。
勝ったら殺されるってどういうこと?
戦う両チームのキャプテンは、如何にして引き分けに持ち込むか、それこそ命がけで競技に挑んだに違いない。

まあそんなこんなで感動と衝撃の世界遺産ツアーに行ってきた私だが、一番印象に残ったのは、乗っていたバスの中の冷房が効きすぎて、えらい寒い思いをしたことだった。

category: 雑談

遠い昔の自慢話 

一回飛ばしてメキシコ繋がりで。

メキシコに1週間ほど滞在していた私だが、そう毎日らんちき騒ぎを繰り返していても、金が減る一方なので、時々ダウンタウンにおりていって、安い食堂を探したり、食材を調達したりもしたわけである。

ちなみにこのときの同行者は不本意な姉。
天然で爆弾を落とすような女だが、日本語含め、3カ国語話す姉と旅行に行くとなにかと便利なので、よく一緒に出かけていた。

メキシコはとにかく脳天気な人間が多い。
目が合っただけでボニータになってしまうほどフレンドリーな輩がばっかりで、私たちはモテモテだった。

どこから来たと聞かれ、日本からだと答えると
「オー、ムーチョハポネス」と満面の笑みで肩をバンバン叩いてくる。
ムーチョとは、「たくさん」という意味らしい。
日本人観光客は世界中どこにでも分布され、メキシコもその例外ではない。
我が敬愛するタマキングこと宮田珠巳氏に言わせると、スペイン語の語源は関西弁であるらしく、
「ムーチョハポネス」とは
「むっちゃ日本人見かけるで」と言うことらしい。

ダウンタウンの庶民的なレストランに入ったハポネス姉妹は、その店で大歓迎された。
ピザを頼み、性懲りもなく酒を頼み待っていると、頼んでもいないつまみを持ってこられ、おのれ、ぼる気なのかと警戒すれば
「違うよ。君たちの為に俺からのプレゼントさっ!俺、ここの店長だから。愛してるよ」
などとほざいてくる。
店長以外のプレゼント作戦が出来ないしがないウエイターは、手に持ったトレイを指の上でクルクルと回し
「見て見て~~~あはははははは、すごいだろう?」
と、アピールしてくる。
モテモテなのに気をよくして手を叩いて喜べば、店の奥から料理人が飛び出してきて、やおらピザ生地を回し出す。
「ほら~、こっちの方が凄いぞ!見てみて~~~」
と、ピザ生地を放り投げてみたり、ステップを踏んでみたり、物凄いパフォーマンスをみせてくれるのだが

一向に頼んだピザが出てこない。

おい、そこでもはや紙のように薄っぺらくなってちぎれそうに振り回されているピザ生地は、よもや私たちのピザではあるまいな、と、
「ピザ、ピザ、早く持ってきて」
と日本語で言っても
「いえっふううぅ!!」
と、一向に踊りが止まらない。

さすが太陽の国メキシコだった。

そして膝をついた店長さんが私の手を取り、なにやらうっとりと囁いているから、姉に「何言ってんだ?」と聞いたところ

「明日結婚しよう。ビーチで待ってるぜ」

だそうだった。

いきなりプロポーズされた私だった。

どうだ見たかエビゾチック!!!
私だってなあ、プロポーズされたことがあるんだぞ!!

遠い昔の自慢話^^
あの日が私の唯一の「モテ期」だった思われる。


以下、拍手コメントのお返事です。

ここをクリック▼


Y様へ

コメントありがとうございました。
メキシコは楽しい国でございました^^
テキーラの味は…どんなだったか私も覚えてはいませんが。
こちらの記事で、少しでも異国気分を味わって頂けたら幸いです。
また遊びに来て下さい。


ぶんぶんの方のH様へ

おお、嬉しいコメントをありがとう。

>しっぽまであんこぎっしり

嬉しいです。
お前はいつも可愛いなあ^^
じゃあ握るとき、優しく握ってやることにしような。





category: 雑談

掲載が終わってた 

今日木曜日、パピルスの更新日なので、いくらなんでももう私のやつは載っていないだろうと思い、覗きに行ったら案の定、「明るいほうへ」の掲載は終わっていた。

先週覗いたときは「なんで載ってんのっ?手違い?馬鹿なのか?」と思ったものが、いざ掲載降ろされたと思うと「なんだよ載ってねーよ!」と思うのだから、人間とは我が儘な生き物だと思う(←私だけか?)

まあ手違いなのか何なのか、一週間生き延びたただ読み掲載も無事終わったことなので、予告通り、シャレード様から送られた批評を晒してみようと思うわけである。

投稿してから約一ヶ月半後に送られてくるのはシャレードの募集要項にも載っている。一次審査は二人の審査員により審査されることもご存じの通りだ。
で、送られて来た批評シートも二人分。なんとも有り難いことだと思う。

では早速晒しましょう。

「明るいほうへ」原稿用紙183枚

◆総評A

愛したくとも愛せない秘めた片思いの切なさ、言えない焼きもちの辛さがよく出ていたと思います。簡素な言葉の比喩や抽象表現がうまいと思いました。出だしのシチュエーション、キャラクター説明部分にもたつきは感じられるものの、期待通りのラストは十分満足できました。ここにキャラクターの魅力がもっと加わると更によくなると思います。また頑張ってください。

◆総評B

よくまとまっていました。主人公は若干女々しいようにも感じますが、リアルさがあり共感できる点が多く丁寧に心理描写されていると思います。また二人のすれ違いもいいバランスで描かれているのでそれなりにドキドキできました。あえて気になった点を言えば、作品全体がリアルさがあるけれど地味な点。キャラクターにもっと読者の「萌え」が入ってくるように描けるとよくなると思います。

以上。

……やさしい。
涙が出そうなぐらいやさしい^^
花丸爆弾に調教されまくっている身体はこのやさしさに、警戒しつつも身を委ねてしまいそうだ。
そしてやさしいながらも
「うん、よくまとまってるね。でも華がないよねっ♪」
と、さくっと抉るあたり、なんとも強弱を心得ているではないか。

あぁ~ん、……ぐはっ!

ってな具合だ。

恐るべしシャレード^^

レーベルの傾向なのか、花丸とはまた違った感じの批評。
参考になっただろうか。

category: 投稿結果

テキーラといえば 

エビゾ繋がりで

私の記憶によると、テキーラとは灰皿で飲むのもではなく、あれは踊りながら飲むものだ。

昔々、まだ日本に恐竜が生息していた頃、
メキシコに行った。
昔のことなので、私はまだ若く、まあすでに酒の飲める年齢に達してはいたけれど
外国では完全に未成年に見えるという、そんな頃だった。

メキシコの中でも随一のリゾート地、「カンクン」という地に降り立った私は
ビーチでウォッカを頼めば、ビーチボーイに
「お前大丈夫か!?」
と聞かれ、
レストランでカクテルを頼めば
「お前大丈夫か?」
と聞かれまくっていた。

リゾート地なので、どの料理店に行っても観光客で溢れ、客を楽しませようとする陽気なメキシコ人がとにかくサービスサービス!ってなぐあいで、もうどこへ行ってもお祭り騒ぎな街だった。

毎日いろいろな店で夕飯を食べるわけだが
どの店でも「テキーラパーティターイムッ!」なるものが開催される。

本当にもれなく
突然に

さっきまで席を周りながら静かなバックミュージックを奏でていたドンタコス達が
いきなり笛をかき鳴らし、
「ぅふえぇえええ!!!」
「ぃえっっふぅうう!!」
などと叫ぶと、

さあテキーラパーティの始まりなのである。

食事中であろうと、トイレに行く途中であろうと、そろそろ帰り支度をしようかと思っていようと
全員席から追い立てられて、一列に並ばされる。
そして自分の前に並んでいる知らない人の肩につかまり、音楽に合わせて行進させられるのだ。

先頭に立つドンタコスについて行くその先には、テーブルやら椅子やらに乗ったリーダーがテキーラを持っていて、音楽が途切れたその瞬間、
丁度自分の下に入ってきた客にテキーラをぶっかけるのだ。

顔に掛かっては堪らないと、観光客は口を開けてテキーラを飲まなければならない。
口を閉じても容赦なくテキーラが降り注いでくるので
リーダーの気が済むまでテキーラを流し込まれる羽目になる。

楽しいテキーラタイムが終わり、席に戻りまた何事もなく食事を続けるのだが
また突然
「うほっぉおららだららららぁ」(←巻き舌を表現したいが上手くいかない)
などと奇声を上げながら今度はリーダーが客の席を廻り始める。
そしてショットグラスになみなみ注いだテキーラを、タンッとテーブルに置くと
それを飲めと強要するのだ。
アワアワになったテキーラを飲み干すと
今度はそいつの頭を掴み、あろうことか思いっきりシェイクされる。

店を出る頃には泥酔状態なのだが、気候のせいなのか、記憶が飛ぶほど酔った記憶も、具合が悪くなった記憶も、ボコボコにされて記者会見する羽目になった記憶もない^^

テキーラというと、それを思い出す。
なんとも陽気な国、メキシコという印象だが
酒が強くないとあそこへは行けないなと、懐かしく思い出すわけである。


以下、拍手コメントのお返事です。

ここをクリック▼


H様へ

冷静な分析、ありがとうございますっ!!
そうですねっ。
私に手を出すなど、余程の勇気がいるんでしょうねっ。
私も全然気にしていませんから!!ええ、気にしていませんとも!!
私は和風の顔が好みなんです。
エビゾチックジャパンなんか全然眼中にないですから!





category: 雑談

プロフィール

商業本のお知らせ

イベント参加情報

リンク&バナー

カレンダー

Twitter

最新記事

最新コメント

カテゴリ

お気に入りリンク

ブクログ

カウンター

月刊アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

QRコード

最新トラックバック